| オパール | 10月の誕生石 |
| 原産地 | オーストラリア、ブラジル、エチオピア、メキシコ、
ペルー、南アフリカ、タンザニア、ジンバブエ |
| 色 | 多様 |
| 属性 | オパール |
| 硬度 | 5.50 - 6.50 |
| 屈折率 | 1.37 - 1.52 |
| 比重 | 1.98 - 2.50 |
世界で最も愛されている宝石のひとつ、オパールの名前は、「色の変化を見る」という意味のローマの「オパロス」やギリシャ語の「オパリオス」からきています。このギリシャ語の「オパリオス」は、古代インドのサンスクリットで「貴重な石」あるいはオパールをあらわす「ウパラ」が変化したものです。これらの言語を一緒にすると、オパールは「オパリオス・ウパラ(色の変化を見る貴重な石)」となります。
オパールは、光を反射したり屈折させたりすることで何種類もの色を発するため、その独特の色のゆらめきで人々を魅了しています。
歴史的に、オパールは幸運のお守りとされ、身につける者に美しさと成功、幸せを運ぶと言われました。古代ギリシャ人は、オパールは洞察力と予言の力が形になったものだと信じ、ローマの人々もまたオパールを愛し、希望と純粋さの象徴と考えました。
アラブの人たちは、オパールを天から落ちてきた稲光と思い、アラブの伝統では、オパールを身につけていると稲光から守ってくれ、日頃の好ましくないことを防ぎ、望めば姿を消すマントになってくれると信じられていました。
オパールはシェークスピアの作品にも登場し、『十二夜』では「宝石の女王」と書かれています。歴史書を読むと、オパールはインドと中東からヨーロッパへ運ばれたように思えますが、実際にはハンガリーの鉱山から来た可能性が高いようです。
1890年代、初めてオーストラリアでオパールが発見され、新聞をにぎわしました。ハンガリーの人々は、そんなにきらめく色のオパールは見たことがないと、オーストラリア産のオパールは本物ではないと主張しました。オーストラリアの原住民アボリジニーの伝説によると「造り主は虹に乗って地球に下りてきて、すべての人間に平和の知らせを持ってきた」と言います。造り主が地面を歩くと、その場所の石に命が宿り、虹の色に輝きだしました。それがオーストラリアのオパールの始まりです。今日、オパールはオーストラリアの国家的財産で、世界で最も尊ばれている宝石のひとつで す。
19世紀に作家サー・ウォルター・スコットが、オパールは10月生まれ以外の人には悪運をもたらすという迷信を言い出して、オパール市場が崩壊しかかった時にビクトリア女王が介入しました。
スカンジナビアの女性は今でもオパールのヘアバンドをつけて、白髪を予防し、つややかなブロンドを保ちます。この宝石には癒しの力があり、魂を若返らせ、心を活性化させてくれると信じられているからです。

オパールは、見る角度によって変化のある「プレイ・オブ・カラー(遊色効果)」という虹色の輝きを持っています。この効果は、シャボンの泡が見せる虹の色と似ていますが、ずっとドラマティックです。これは、光の反射で起こるオパールの白っぽい青やパールのような光沢の「オパレッセンス(乳光)」とは違うものです。
オパールの構造はユニークです。凝集した二酸化ケイ素の小さな球が、水と混ざることでピラミッド型の格子を作ります。この格子に小さな傷が自然にできると、独特のプレイ・オブ・カラーが見えます。
オパールは、オパールが形成され透明度が左右される「ポッチ」(オパールの母岩)に応じて分類されます。例えば、ブラック・オパールは黒いポッチに、セミ・ブラック・オパールはグレーより濃いけれども黒まではいかないポッチにできます。白いオパールは白いポッチに、クイーンズランド・ボルダー・オパールは鉄鉱石(ボルダー)のポッチにでき、ジェリー・オパール(クリスタル・オパールとも呼ばれます)はポッチを全く持たないオパールです。ジェリー・オパールと比べてプレイオブカラーが極めて少ないファイアー・オパールは、ジェリー・オパールのうち特に燃えるような黄色、タンジェリン、赤を見せるオパールです。マトリックス・オパールはポッチが表に見えているオパールすべてを指します。
オパールは実際にたくさんの異なる色を放ち、ルビーに匹敵するようなチェリー色のもの、スペサルティン・ガーネットのように輝く炎のようなオレンジのもの、カルセドニーのような鮮やかなトロピカル・ブルーのもの、そして目の覚めるようなピンクや緑のものもあります。
今日、世界中のオパールのおよそ95%が、ライトニング・リッジやクーバー・ペディ、アンダムーカ、ミンタビー・といった、オーストラリアの一部の有名な鉱山で採掘されています。

ブラック・オパールは、そもそもオーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州ライトニング・リッジで発見されました。「オパールの王」と呼ばれるライトニング・リッジ・ブラックオパールは、1902年の発見以来ずっと愛されています。シドニーの925キロ北にあるライトニング・リッジ(人口約1万5千人ののどかな町)は、品質のよいブラック・オパールの世界最大の産地です。
この素晴らしい宝石は、オパールの中で最も愛されているものです。その暗い基調の色が、虹のうしろの雨雲のように、色を引き立たせるのです(黒い色のおかげでオパールのプレイ・オブ・カラーが目立ち、鮮やかさを増すからです)。ブラック・オパールは評判が高いため、ウエハースくらいの薄いものを2重、3重にして強度と深みをつけ、金のリングなどのジュエリーにはめこむこともあります。
ライトニング・リッジなど、オーストラリアの産地にあるブラック・オパールの鉱床の多くは、「大鑽井盆地」と呼ばれる地理的特色のある場所に位置しています。この盆地は、1億4000万年以上前に存在した大きな内海の堆積物からできています。およそ1億2000万年後、川に運ばれてきた砂岩がこの堆積岩の上にたまりました。やがてこの新しい岩は風にさらされ、中の二酸化ケイ素がゲル状になって古い岩の穴に流れこみました。この二酸化ケイ素のゲルが核を包むようにして固まり、オパール独特の規則的な球とすき間を作ります。この透明な空間を通る光の回折が、オパールの美しいプレイ・オブ・カラーを生み出すのです。
堆積岩の中の狭い鉱脈から直接掘り出すオパールの採掘は、地下6メートルから18メートルを、つるはしやシャベルで削る大変な作業です。掘り出されたオパールはバケツに入れられ、簡単な巻き上げ機で地上に引き上げられます。オパールの原石(「ノビー」と呼びます)は、まず手で選別され、ふるいにかけられ、残ったオパール原石 は、余分な泥を洗い落とされます。
残念ながら、オーストラリア産のオパール、特にライトニング・リッジで採掘されるものは、年々少なくなっています。かつて高品質なドーム型のカボションカットのものを生産していたライトニング・リッジの鉱床は、事実上枯渇してしまい、端の1か所だけで操業しています。政府は期待の持てそうな鉱床を次々とオープンしましたが、現在のところ、期待は現実にはなっていません。ライトニング・リッジのオパール生産量は、10年前の半分になっています。色を好む最近のジュエリーの流行で、世界の主要なジュエリー会社でのオパールの使用は増加中で、この供給問題はジレンマを生んでいます。

ボルダー・オパールは、オーストラリアの鉄鉱石や巨礫の多い地域の広い範囲に散在していることが分かっています。このような地域では、オパール(二酸化ケイ素の混合物)が鉄鉱石の大きな岩の割れ目やひび、穴、裂け目などに流れこんでいるのです。オパールを含む巨礫は、割ると必ず母岩である茶色い鉄鉱石を含んでいます。GIA(米国宝石学会)では、ふたつのタイプに分類し、鉄鉱石が表から見える「マトリックスのあるオパール」と呼ばれるものと、内包物が見られない「マトリックスの中のオパール」です。ボルダー・オパールは通常「マトリックスのあるオパール」になるようにカットされ、オパールの石目の輪郭がいびつな波型の表面を作り出します。形は均一ではなく、不規則で、ボルダー・オパールのひとつひとつが個性豊かです。クイーンズランド西部のライトニング・リッジの北側にあるクイーンズランド・ボルダー・オパール・フィールドは、キルピの町を中心とした地域で、北はウィントンから南はクナムラまで広がっています。
激しく燃えるような鮮やかな赤で知られるボルダー・オパールは、非常に需要が高く、人気があります。クイーンズランド・ボルダー・オパールへの関心はこの20年間で際立って強まりました。これは、世界中の宝石愛好家の間で、この珍しいオパールの情報が広まったからでしょう。

ファイアー・オパールの名は、この真っ赤なチェリー色や強い日差しのような黄色、深いタンジェリン色の宝石にふさわしいものです。ファイアー・オパールは他のオパールと違い、その抑えたプレイ・オブ・カラーが特徴です。メキシコ産オパール、メキシコ産ファイアー・オパール、タンザニア産ファイアー・オパール、チェリーファイアー・オパール、エチオピア産ファイアー・オパール、ブラジル産、ファイアー・オパール、サン・オパールなどの名でも知られるこの伝説的なオパールの人気は、息を飲むような輝き、オパレッセンス(乳光)、並外れた炎のような色、そして驚くべき透明度にあります。ファイアー・オパールは、アステカ時代からアメリカ大陸で尊ばれ、「楽園の鳥の宝石」と名づけられました。アステカの人々はオパールを情熱的な愛の象徴として大切にし、このように輝く宝石はこの世の初めの水から生まれたに違いないと考えました。ファイアー・オパールの主な産地はメキシコ(オーストラリアもあります)ですが、最近になってタンザニア、エチオピア、マリ、そしてブラジルでも見つかっています。ブラジルでは1945年頃から採掘されていますが、生産量は非常に少なく、市場に出回るだけの量を産出するのは困難です。今日、ブラジルのピアウイ州産のオパールが国際的に高く評価され、オーストラリア産のオパールに匹敵する品質を持つとされており、おそらく世界最高の産地と言えるでしょう。新しい採掘規制の試行によって生産量が減少しているため、希少価値が上がり、魅力が増しています。

1960年代に発見されたグリーン・オパールは、緑色の半透明のオパールで、クリソプレーズやジェイドに似ていることから、プレーズ・オパールあるいはクリソパルと呼ばれ、タンザニアのアルーシャ地域(タンザナイトと同じ地域)で採掘が行われています。オパールによく見られるプレイ・オブ・カラーはありませんが、そのミント色からアップルグリーンの色合いが、ジュエリーとして大変人気があります。このユニークな色は、微量のニッケルによるものです。

ジェリー・オパール(ウォーター・オパールやクリスタル・オパールなどとも呼ばれます)は、主にメキシコで採掘されています。はっきりとしない色がいくつか組み合わさって見えるのが魅力で、ゼラチンのような見た目と、時おり強調されるオパレッセンス(青みのある光沢)が特徴の、透明な純粋のオパールです。プレイ・オブ・カラーは、はっきりとした色の断片が見えるのではなく、かすかな色の輝きが宝石の上で踊っているという感じです。ジェリー・オパールを直接光に当てると、非常に濃いオパール色を放ちます。オーストラリアのライトニング・リッジでも頻繁に発見され、その場合には本質的には地の色が黒くないブラック・オパールと言えます。このようなオパールは、黒い土台(通常はブラック・ロジウム)をもとにしたオパールのはめこみ細工に使われ、そのあと正確にカットされたオパールの結晶をはめこみ、ジュエリーにします。
アンデスから運ばれ、古代インカの人々に愛されたペルー産オパールは、非常に珍しいもので、見事な半透明の色合いをしています。青やピンクがふつうですが、時には緑の物が見つかることもあります。

ブラック・オパールよりも明るい透明感のあるセミ・ブラック・オパールの色は、グレーよりは濃く、黒まではいきません。ブラックとセミ・ブラックの区別の鍵は不透明度で、ブラック・オパールはセミ・ブラック・オパールよりも不透明です。セミ・ブラック・オパールは1930年代にアンダムーカで発見されまし た。南オーストラリア州のアデレードの640キロ北に位置するアンダムーカは、砂埃の舞う典型的な「ワイルド・ウェスト」の砂漠の町です。1960年代、アンダムーカが栄えた頃、何十万ポンドもの価値のあるアンダムーカ産のオパールが女王エリザベス2世に贈られました。アンダムーカのオパールは世界中に知られていますが、へんぴな場所で輸送費がかかることから、現在は少量しか生産されていません。アンダムーカ産のオパールは特に品質が高いのが特徴ですが、近年採掘がますます難しくなっています。現在のアンダムーカはとても静かで、採掘を本業としている鉱夫は50人にも満たないということです。
ホワイト・オパールは半透明で、回折した光がクリームのように見えます。オーストラリアのオパール産地ではどこでもホワイト・オパールが発見されていますが、最大の生産地はクーバー・ペディです。世界最古の百科事典『博物誌』を書いたローマ時代のはく博物学者、大プリニウス(紀元23年から79年)は、ホワイト・オパールに感銘を受け「ルビーよりも柔らかい火、アメシストの紫の輝き、エメラルドの海の緑、すべての色が信じられない調和をもち、ともに輝いている」と述べました。
採掘されたオパールのうちジュエリーになるのはわずか25パーセントという状況で、感銘を受けるようなオパールをお探しなら、ジェムスTVが一番の近道です。